日本史講座

縄文時代のはじまりと特徴~縄文文化はなぜ始まった?【日本史講座】

2020年12月31日

縄文時代のはじまりと特徴~縄文文化はなぜ始まった?【日本史講座】

この記事では、縄文時代がどのような時代でどんな特徴があったのかについて解説します。

縄文時代はなぜ始まり、どのような特徴があるのでしょうか。
そうした疑問に答えていきます。

記事のなかでは

・縄文時代とはいつからいつまでのことをいうのか。
・縄文時代の特徴とはなにか
・縄文時代の文化はなぜ始まったのか?

といったことについて、ざっくりと見ていきます。

この記事を書いている筆者は、大学時代は史学科で日本史を専攻していました。
このサイトでは、日本史を学んでいる高校生が、読むだけで日本史の要点がわかり、大学受験レベルの知識を身につけることができることを目指して記事を書いています。
また、歴史の「なぜ」に注目して、流れを理解できるようにすることを心がけています。

それではさっそくいってみましょう。

縄文時代はいつからいつまで?

縄文時代は、更新世末期の約1万3000年前から始まり、弥生時代が始まる紀元前4世紀頃までのことまでをいいます。

旧石器時代と縄文時代を分ける明確な年代があるわけではありませんが、縄文時代と旧石器時代は、明らかに生活のスタイルや使われている道具が変化していて、その新しい道具が使われ始めた時期を縄文時代の始まりと位置づけています。

縄文時代を特徴づける道具としては、土器(縄文土器)、磨製石器、弓矢、骨角器などがあります。

とくにこの時代の土器には、特徴的な縄目模様がついていて、そこから「縄文」という名称がつけられました。

縄文文化はなぜ始まった?

縄文時代の人々の生活・文化は、それ以前の旧石器時代とは明らかに異なっています。
その変化はなぜ起こったのでしょうか。

旧石器時代から縄文時代への変化をもたらしたのは、地球規模での環境の大きな変化です。

地球規模での気候の変化

旧石器時代はとても寒い氷河時代でした。
これを地質学では更新世といいます。

更新世は約1万年前に終わり、温暖な気候へと変わっていきます。
地球が急速に暖かくなっていくのですね。
地質学的には完新世の始まりといいます。

縄文時代の始まりはちょうど更新世と完新世の切り替わりの時期にあたります。
温暖な気候になったことにより、氷河が溶け海面が上がり、大陸と陸続きだった陸地は消え、海に囲まれた現在の日本列島の形が形成されました。

ちなみに縄文時代前期の約6000年前には、いまより地球の平均気温が2度ほど高くなり、それによって海面もいまより4メートルほど上昇していたと考えられています。
この現象を縄文海進といいます。

これにより、たとえば東京湾でいえば、現在の東京都の大部分が海で、さいたま市あたりまで入り江が来ていたのです。
縄文時代の遺跡で、海から離れた場所(たとえば海のない埼玉県の遺跡など)からも、貝を食べた跡である貝塚が発見されるのは、現在とは地形が違って海が内陸まであったからなのです。

定住化の始まり

気候の温暖化によって、人々の生活のなにが根本的に変わったのかというと、定住化が始まったことです。

旧石器時代の人々は、マンモスやナウマンゾウ、オオツノシカなどの大型動物を追って、移動しながら生活していました。
このような大型動物は、厚い毛皮におおわれていて寒い環境に適応しています。
しかし、縄文時代になり気候や自然環境が変わると、これらの大型動物は日本列島では生きていけなくなり、絶滅したと考えられます。

大型動物がいなくなった一方で、気候の温暖化によりクリやクルミ、ブナやナラといった広葉樹林が日本列島に育っていきます。
その結果、木の実が豊富に採れるようになります。

また、大型動物の代わりにシカやイノシシなどの中・小型動物が狩猟の対象となります。

また、海からは豊富な魚介類も採れるようになりました。

縄文時代は、自然の恵みがかなり豊富な時代であったと考えられています。

こうして、食料の確保が安定したことから、獲物を追って移動する必要がなくなります。

結果、これまで移動しながらテント式の住居や洞窟で暮らしていた人々は、集落を作り、竪穴住居を建て、定住生活をするようになりました。
そうした定住生活のなかで新たな道具が生まれ、また独自の宗教観や呪術的風習も誕生し、縄文文化が発展していったのです。

まとめとポイント

以上、縄文時代のはじまりと特徴についての概略を解説しました。

ここでのポイントは、更新世から完新世への地球規模の環境変化で、人々のライフスタイルが大きく変わって新しい時代が訪れたということです。

ちなみに、世界史では多くの地域で、旧石器時代の次の時代区分は新石器時代となります。
新石器時代の特徴としては、磨製石器の使用、農耕の開始、牧畜の開始などが挙げられます。
日本では、磨製石器は使用されていたものの、農耕や牧畜は行われていないため、新石器時代という名称は使わずに、「縄文時代」という独自の時代区分がなされています。

縄文時代の生活や暮らし、縄文時代の宗教観や呪術的風習については、別記事で解説します。
そちらもぜひ読んでくださいね。

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