旧石器時代の人々の生活はどのようなものだったのか。
旧石器時代人が使っていた道具、日本における旧石器時代の発見、旧石器時代人の住まいなどについて、わかりやすく紹介します。
旧石器時代の道具
人類が金属器を使うようになる前の時代は主に石を加工した道具を使っていました。
この石を加工した道具のことを石器(せっき)といい、人類が主に石器を使っていた時代のことを石器時代といいます。
また、石器時代も大きく2つに区分されます。
主に更新世の時期は、人類は基本的には石を打ち欠いただけの打製石器(だせいせっき)を使っていました。
主に打製石器を使っていた時代のことを旧石器時代(きゅうせっきじだい)といいます。
それが、完新世になると、石を磨いて仕上げた磨製石器(ませいせっき)が出現し、新石器時代(しんせっきじだい)へと進化していきます。
日本における新石器時代は、縄文時代を指します。
旧石器時代の人々は、ナイフ形石器や尖頭器(せんとうき)を木の棒の先端につけた石槍を用いて狩りをしていました。
旧石器時代の終わりごろには、細石器(さいせっき)と呼ばれる小型の石器も出現するようになります。
日本における旧石器時代の発見
かつては、日本列島には旧石器時代は存在しないと考えられていました。
その説をくつがえしたのが、1949年、相沢忠洋(あいざわ ただひろ)による群馬県岩宿遺跡(いわじゅくいせき)の発見です。
岩宿遺跡では、更新世の関東ローム層から打製石器が発見されました。
以後、日本各地の遺跡で更新世の地層から打製石器が発見されるようになり、旧石器時代が日本にも存在したことが証明されたのでした。
狩猟採取の生活と住居
旧石器時代の人々は、動物の狩猟と、植物の採取で食料を獲得する生活を送っていました。
狩猟の対象としては、ナウマンゾウやオオツノジカ、ヘラジカなどの大型動物が獲物とされました。
この時代の人々は食料を求めて移動しながら生活を送っていたようです。
住まいはテントのような小屋や、洞窟などで暮らしていました。
生活をともにする集団は10人前後だったようで、集団同士で石器の材料を交換し合うなどの交流も行われていたようですし、ときには共同で狩りを行うようなこともあったようです。
旧石器時代の遺跡では、動物を捕獲するための落とし穴の跡や、石組みの調理場の跡も見つかっています。