日本列島はどのように成り立ち、日本人はどこから来たのか。
更新性と完新世、日本国内の化石人類などについて、わかりやすく紹介します。
更新世と完新世
日本史の教科書は地質学上の気候分類の話から始まります。
今から1万年前に更新世(こうしんせい)と完新世(かんしんせい)という大きな地質学と気候の変動が起きます。
この気候変動が人類にとても大きな影響を与えます。
約170万年前から1万年前までは、ずっと更新世でした。
そしてその後、いまに至るまで完新世が続いています。
更新世は、氷河時代とも呼ばれています。
更新世の間、地球の温度は今よりもはるかに低く、人類の祖先が生き抜いていくにはとても厳しい環境でした。
ただ、170万年の間、つねに極寒だったというわけではなく、寒冷な氷期(ひょうき)と比較的温暖な間氷期(かんぴょうき)を交互に繰り返していたのでした。
寒冷な氷期には、海面の水位が下降します。
海面の水位が下がった結果、一時期日本列島と大陸が陸続きになり、トウヨウゾウやナウマンゾウなどの大型動物が日本列島に移動してきました。
それらの大型動物を追ってやってきた人々が、最初に日本列島に住み着いた人々ではないかと推測されています。
日本の化石人類
人類の祖先はおよそ700万年前にアフリカ大陸で誕生したと考えられています。
化石として発見された化石人骨の研究により、人類は猿人→原人→旧人→新人の順に出現したことがわかっています。
猿人段階の化石はアフリカ大陸でしか発見されておらず、代表的なのはアウストラロピテクスです。
そこから250万年前に原人が分岐し、さらに35万年前にネアンデルタール人で有名な旧人。
30万年前~25万年前に現代人とほぼ同じ姿をした新人、ホモ・サピエンスがアフリカ大陸で誕生します。
日本でも化石人骨は発見されていますが、現在までに発見されている最古のものは、新人の段階のものです。
国内で発見された化石人骨には、静岡県の浜北人や、沖縄県の港川人、沖縄県の山下洞人、兵庫県の明石人などがあります。
明石人は以前は原人段階のものではないかという説もありましたが、近年の研究で新人段階のものであると判明しています。