縄文文化はどのように成立していったのか。
旧石器時代人が使っていた道具、日本における旧石器時代の発見、旧石器時代人の住まいなどについて、わかりやすく紹介します。
更新世から完新世への気候の変化
いまからおよそ1万年前に地球規模での気候の大変動が起こります。
更新世から完新世への気候の変化です。
この気候変動により、地球の気候は現在に近いものになりました。
海面の水位も上がり、日本列島は大陸から切り離されました。
動植物の生態にも変化が起こります。
これまでの針葉樹林にかわり、東日本ではブナやナラなどの落葉広葉樹林が、西日本ではシイなどの照葉樹林が広がっていきました。
動物も、これまで存在したナウマンゾウなどの大型動物は絶滅し、ニホンシカやイノシシなどの中・小型の動物が増えていきました。
気候変動に伴う生活の変化
このような環境の変化に対応し、人々の生活も変化していきました。
完新世への気候変化に伴う生活の変化により成立した文化を縄文文化といいます。
縄文文化は、約1万6000年前から、水稲農耕が始まる約2800~2500年前まで1万年以上続きます。
この時代には、中・小型動物を狩るための弓矢や、煮炊きをするための土器、石を磨いて研いだ磨製石器などの道具が出現しました。
これまでのナウマンゾウなどの大型動物と違い、中型や小型の動物はすばしっこく、これまでの方法では狩るのが難しいのです。
そこで飛び道具の弓矢が登場しました。
また、この時代に用いられた土器は、表面に縄を転がしてつけた縄文と呼ばれる文様をもつものが多く、そのような土器は縄文土器といわれます。
縄文土器は低温で焼かれた厚手で黒褐色のものが多いのが特徴です。
[st-kaiwa1 r]縄文時代という名前は文化史上の名称です。
考古学上の名称は新石器時代にあたります。
縄文土器から分かる縄文時代の時代区分
縄文土器は装飾性の高いものも多くあります。
縄文土器は岡本太郎によって芸術的な価値も見出され、美術館などに展示されているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
縄文土器の装飾や特徴は、時期によって変化があり、この縄文土器の変化をもとに、約1万年間の縄文時代を6つの時期に区分しています。
それが、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6期です。
このなかでも、草創期の土器は、現在のところ世界でもっとも古い時の一つとされています。
また、火焔型土器などが有名ですが、中期のあたりでは一気に装飾性が高くなっていくのも特徴です。